コラムバックナンバー
メールマガジン2012年10月16日号より 真摯 いちしま泰樹
私たちは、アクセス解析の知識だけの「頭でっかち」になってはいけません。
「数字がこうだから」と結果だけから判断するのではなく、たとえば実際のサイトをウォークスルーして課題を発見し、その根拠として数字などを提示していかなければいけません。さらに「ここが良くない」だけではなく、「こう改善した方がいい」という提案も必要になってきます。
「アクセス解析担当者」という人間が世の中にどれだけいるのかわかりませんが、アクセス解析の領域を主要な業務とする方々は、ウェブの運用に関わる様々な領域に関心を持つべきだと思っています。ウェブ制作、システムの知識、SEO、広告の運用、その外側の基盤であるビジネスの世界やマーケティングの世界、などなど。
それぞれの領域のプロフェッショナルになる必要はありません。どの分野にどのような特徴があるのかを把握しているだけでも、「数字の読み取り方」「改善案」に幅が出てきます。私自身も、いわゆる「何でも屋」を過去に経験して、ウェブ制作や広告の領域の知識や技術をある程度身につけることができたのは、良かったと感じています。
4月にこのメールマガジンのコラムで「新しくアクセス解析に取り組む人に送る、3つのアドバイス」という内容を書いたのですが、「いろんな種類のWebマーケティングを学び、多様性を知ろう」と書いたのは、アクセス解析の人がアクセス解析だけに詳しくても「改善」にはつながりにくいだろうなと感じているからです。
もちろん、各領域のプロフェッショナルがアクセス解析に詳しくなっていくと、とてもいい状況になるでしょう。
企業のウェブ担当者様であれば、比較的業務は多岐にわたっていて、その中の業務のひとつがアクセス解析というケースが多いようです。一方、広告代理店などに勤務していれば、他の業務に直接関わらないケースは多いでしょう。自分で自由に運営できる個人サイトをひとつ持っていると、集客からサイト内の改善まで、様々な視点でものを見ることができると思います。
アクセス解析をはじめとしたデータの分析は、最終的には「改善」につなげなければいけません。広告をはじめとした集客施策の改善、そしてサイト内の改善。「分析」だけでしたり顔をしてはいけません。
周辺の領域に踏み込んだ視点で分析をし、改善案を周辺領域のプロフェッショナルと一緒に取り組む、またはふさわしいボールのパスを渡す、というような広がりを生み出せなければ、私たちの価値はないのだと感じています。
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