コラムバックナンバー
メールマガジン2012年7月17日号より 真摯 いちしま泰樹
アクセス解析ツール、特に無料で手軽に利用されているGoogleアナリティクスでは、導入の部分により力を入れて取り組んでいかなければいけない、というお話です。
Googleアナリティクスは無料で利用できることもあり、小規模サイトから大規模サイトまで、ビジネスとして多く利用されています。グーグルIDの準備と数行のトラッキングコードをHTMLに挿入さえすれば、ひとまずはなんとかなる、という運用上の手軽さも、スピードを求められるビジネスでは重宝されてきました。
もちろん、その「とりあえずトラッキングコードを貼っておけばOK」の感覚からか、コンバージョンの設定をはじめとしたビジネスとして重要な設定がなされていないケースも多々見られるという実態もあります。しかし、今日はその話ではなく、「とりあえずの導入から年月が経って、気がつけばサイトが大きく複雑になった」「いつものように手軽に導入したけれど、思うようにデータが取れていない」というケースのお話です。
Webサイトは、ビジネスの重要な位置を占めるようになってきました。コンテンツは増え、複数のサイトを連携させるようになり、構造が複雑になるとともにトラフィックの規模も格段に大きくなりました。Googleアナリティクスも、その流れに対応して機能を追加したりUIを改訂したりと変化しています。
運用する側は、「デフォルトのコードを貼っておけば」の感覚でこれまでやってきたのですが、気がつけば「アカウント構造が複雑になってしまった」「数字が正しく計測できているのか怪しい」「サイトが追加できない」「サンプリングがかかってしまって」という状況になるケースがあります。
有償のアクセス解析ツールであれば、ツールベンダー各社やその代理店がそのサポートをしてくれます。「こういうケースではこのような形で導入を」「このような設定を」「このオプションを」と、その状況や規模に応じて的確な判断をしてくれます。
自分たちでGoogleアナリティクスを導入したのであれば、そうはいきません。自分たちで試行錯誤するか、誰かにお願いすることになります。
5年前にGoogleアナリティクスをサイトに導入し、その設定内容のままサイトはどんどん拡張して複雑になり、当時の担当者はすでにおらず、いま見ているレポートの数字ははたして正しいのだろうか……。こうなると、「現状把握」として見ていた数字の信頼性が揺らいできます。
複数のドメインにまたがる場合はどうするのか、ディレクトリ単位でサイト追加のたびにフィルタで切ったプロファイルを作っているけど支障はないのか、データのサンプリングは仕方がないのか、リニューアルでサイト構成が変わったが問題ないのか、などなど、初期の「設計」の部分がますます重要になってきていると感じます。「デフォルトのトラッキングコードを貼っておけばOKですよ」と、簡単に済ませられなくなってきました。高機能になったツールの仕様の把握ももちろん必要です。
ツールは無料です。ただ、ビジネスとして活用する上でその数字の根拠がより重要になるのであれば、「正しく数字が取得できるようにする」「リニューアルやサイト追加の際に改めて見直す」などの対応は、工数をかけてでもしっかり取り組んだ方が良いです。自分たちでなんとかできれば良いのですが、そうでなければ信頼の置けるところにお願いしてみてください。
アクセス解析は、それ単体では利益を生まないため、広告などのようになかなかそこに費用をかけるという意識が弱いのが実情です。ただ、それが故に弊害が起きているのであれば、「とりあえず」で進めてしまったツケを取り返さなければいけません。
Googleアナリティクスをビジネスとして適切に活用するのであれば、もはやそれは無料ではないと感じます。
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