コラムバックナンバー
メールマガジン2012年4月17日号より Cinci いちしま泰樹
これまで企業様とWebビジネスの改善の取り組みをしている中で、感じることがあります。
多くの企業にとって、アクセス解析の側面で必要なのは「高度な分析」などではなく、「数字などの根拠からアクションにつなげること」と、「それを支える組織」だということです。
相談として、これからアクセス解析に本腰を入れて取り組んでいきたいというお話をいただきます。「分析の際のサポートを」ということなのですが、よくよくお話をお伺いすると、社内体制としてビジネス改善のサイクルが整っていないことがあります。
例えば、分析結果を元に改善の取り組みをしたい場合。その改善の内容が他部署の管轄でその部署で半期の計画に入っていなかったり、予算や人的リソースの確保が難しいケースが往々にしてあります。その社内調整が滞っているうちに、その取り組みの熱が冷めてしまったりうやむやに終わったりします。
「分析」そのものは、それほど難しい取り組みでないにもかかわらず、改善に移されないまま、結局「アクセス解析してもあんまり意味がない」「効果が出ない」と判断されてしまいます。
アクセス解析は、サイト全体やWebビジネス全体を俯瞰して取りまとめることが多くあります。組織の中で誰かが中心となって進めなければいけないのは確かなのですが、縦割りの組織の一部門として取り組んでいると、なかなかビジネス全体にその活動を展開させることが難しくなります。ビジネス全体の要件を取り扱っているにもかかわらず、他部署との連携ができていないからです。
ひとつ望むべきことは、組織を横断する形で進めることです。各部署の主要メンバーが関わる形で、優先順序やビジネスインパクトを調整しながら、「分析結果」を「改善」に移していくことになります。難しいかもしれませんが、改善の予算をある程度バッファを見越して確保しておくことも大事です。
昔から縦割り組織における横軸のプロジェクトの必要性は叫ばれているわけですから、目新しい話ではありません。ただ、アクセス解析が「ただの一施策」ととらえられ、「誰かががんばればうまくいく」と勘違いされていることが多いようにも感じます。
「では、組織をしっかり整えてから」と悠長なことも言ってられません。誰かが旗を振り、手も動かし、必要性を訴えながら少しずつ組織も動かしていかなければなりません。それができるのはスーパーマンに思われるかもしれませんが、そんなことはありません。その必要性を感じる人ができるのです。このメールマガジンを読んでいるあなたもその一人です。
最初から高度な分析など必要ありません。根拠をアクションにつなげること、それが実現できる組織に少しずつ変えていくこと。大きな話かもしれませんが、案外大きな規模の企業ほどそこに向かっているようにも感じます。
あなたの企業はどうですか?
「データをアクションに!」というテーマで、5月17日に「アクセス解析サミット2012」を開催します。成果を出すために、他社はどんな取り組みをしているのか? どんな取り組みは失敗だったのだろうか? 企業事例の本音の部分を、皆さんと共有いたします。ぜひご参加ください。
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