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2011年アクセス解析 重大ニュース

2011年 アクセス解析イニシアチブのトピックスのコーナーでよく読まれた記事を中心に、2011年のホットトピックスを振り返リます。
https://a2i.jp/topics


◆アトリビューション元年
広告効果測定の分野を中心にアトリビューションという言葉が今年の注目ワードでした。アクセス解析イニシアチブでも10回の勉強会を開催。話し手に困らないほど次々に講演者が出てきたテーマです。解析ツールでは、ビービットのウェブアンテナや、Googleアナリティクスのマルチチャネルも話題になりました。

[関連トピックス]
アクセス解析イニシアチブ アトリビューション分科会
アトリビューション特別対談 Fringe81田中弦xアタラ有薗雄一
Googleアナリティクス マルチチャネル機能が全ユーザーで利用可能に
ビービット「WebAntenna(ウェブアンテナ)」をバージョンアップ

◆ソーシャルメディア分析
ソーシャルは昨年も活発なテーマでしたが、2011年はTwitterやFacebookが、もはや特別ではない年になりました。ユーザーローカルはじめ多くのツールがソーシャルメディア分析をうたって機能を追加リリース。乱立するツールをまとめた小川卓さんのツール大全が、人気記事として上位にランクしました。

[関連トピックス]
ユーザーローカル、FacebookやTwitterを分析・管理する、 無料のソーシャルメディア解析ツールを提供
アクセス解析やTwitter分析など、3年間でレビューした100個のツールをまとめた『ウェブ分析ツール大全』を公開

◆スマートフォンの成長
スマートフォンの成長も目を見張るものがあり、トピックスでもアクセス数の上位にこのテーマが並びました。記事の人気度から言えば、アトリビューションやソーシャルよりも活発でした。トピックスの人気記事に、UAの判別方法が並ぶなど、技術的な解説記事も人気でした。老舗セランが、スマートフォンとアプリ対応を本格化させ、各ツールもこぞってスマートフォン対応を打ち出しました。

[関連トピックス]
セラン、 『MOBYLOG 5』を提供開始
cciとビルコム、スマートフォンアプリ効果測定ツール「App Analyzer」提供開始
ユーザーエージェントによるスマートフォンの端末判別方法について

◆Googleアナリティクスが続々機能追加、コアメトリクス日本上陸
ツール関連では上記二つが大きなニュースとして挙げられます。大手ツールの中で唯一日本上陸していなかったCoremetricsがいよいよ日本でサポートされるようになりました。また無料のGoogle アナリティクスもリアルタイム、マルチチャネル、ビジュアルフローなど、強力な機能を矢継ぎ早に提供し続けています。

[関連トピックス]
トランスコスモスと日本IBMが「コアメトリクス」を提供開始
Google アナリティクス新しいバージョンで次々に新機能を発表

◆EU中心にアンチCookieについての法律化の動き
特にトピックスで取り上げた関連記事はなく日本では話題になりませんでしたが、欧州を中心にプライバシーに対する意識が高まリ、Cookieを規制する法律を制定する動きが目立ちました。欧州では「Cookieを明示的に同意を求めることを義務化する法案」が5月に発効しています。今年後半には米国にも飛び火する動きが出てきています。2012年、この問題を継続的にウォッチする必要があるでしょう。

◆2大ツールのユーザー会が活発化
SiteCatalystのユーザー会である、eVar7は昨年発足ですが、今年は分科会がはじまりさらに盛んになってきているようです。一方Google アナリティクスも積極的にウェブ上で情報発信とサポートをしている人とGoogleとの意見交換の場として _gaTrackerを開始しています。ツール提供側とユーザーのコミュニティが、来年も重要な役目を果たして行きそうです。

[関連記事]
SiteCatalystのユーザー会eVar7
Google アナリティクスの_gaTracker

◆アクセス解析周辺の仕事の動きが活発化
人材募集でも「ウェブアナリスト」という職種とそのスキルを持った人材の募集広告が、途切れること無く出てくるようになっています。アクセス解析イニシアチブでも「お仕事情報」というカテゴリーで無償で人材募集の告知に取り組んでいます。番外編として、代表の大内がGoogleに、元楽天でセミナーや執筆などで有名な清水誠氏が米Adobeで勤務を開始したのも話題になりました。
その他、アクセス解析イニシアチブの参加者にも、今年新任のウェブ解析担当者になった人、新しく職場を変えた人が目立った一年でした。

[関連記事]
◆お仕事情報
https://a2i.jp/category/activity/job

2012年のテーマ 複雑な世界をシンプルに

来年はアクセス解析にとって、とても重要な一年になりそうです。
誤解を恐れずに言えば、ネットの成長も鈍化し、複雑な現実の前で人々が迷う時代になったからです。

全体が成長しているなら、成長の波をトレースすれば、かえって二番手の方がコストを抑えて楽に成長できました。自分のデータを分析するより、トップランナーを追いかけた方が、成功の確率が高いのですから、「データは取っているけど分析していない」という状態でも、問題はありませんでした。

しかし、今はかつてのトップランナーでさえ右往左往しています。そんな状況であれば、別の何かに頼ろうとするのは自然なことでしょう。眠っていたウェブのデータにも、本格的な答えを求めるようになります。

一方で、取るべきアクションは、どんどん複雑化しています。
検索エンジン、リスティング、メール、アフィリエイト、携帯に加え、スマートフォン、ソーシャルメディア、ディスプレイ広告へと容赦無く広がっていきます。

そんなわけで、「データ分析」に本格的な答えを求めているのに、いざデータに向かうと複雑すぎて、答えが導き出せない、そんなジレンマが目の前にあります。
ここでジレンマをジレンマのまま、無駄に時間を費やせば、アクセス解析は役に立たないものと判断されてしまいます。

アクセス解析がなぜ必要なのか? それは「チームを動かすため」です。データから導きだした答えは、チームを動かす力になリます。
逆に言えば、チームを動かせない分析、レポート、プレゼンテーションなんて、まったくの無駄なのです。

ウェブのデータ分析に関わる僕らにはどんなスキルが求められるのか?
それは、よりシンプルに、答えを語る力では無いでしょうか?
もちろん、それはいつでも必要なスキルだったのですが、来年のそれはレベルが違うものになると感じています。

複雑な世界を、シンプルに。
そしてチームを動かす力で伝えられるか?
それが来年のテーマです。

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