活動報告

開催日時 2022/09/14(水)
会場 オンラインセミナー

2022年9月14日に、オンラインセミナー「マーケッターの必須スキル「KPI」の基礎理解と攻略」を開催しました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
村上佳代氏(Kazu and Company 合同会社)にお話しいただきました。

レポート執筆
二村 勇輔

第一部:KPIにまつわる「あるある噺」から、KPIの本質理解へ

村上氏はセミナーのはじめに、全体を通して大切なことを語りました。

  • 数字至上主義ではない(定量だけでなく、定性も大事)
  • データは支配する対象であり、支配されるものではない
  • データは活用してこそ活きる

これらを踏まえて、本編へと進みます。

村上佳代氏(カズ・アンド・カンパニー合同会社)

本編では、村上氏がよく聞くKPIあるある噺に触れ、それぞれの質問に対して回答します。

●KPIと目標はどう違うのか?
目標=KGI
行動=KPI
行動でもって、目標を達成させる。
KPIは目標を達成させるための行動の目安となる重要な指標です。
KPIとKGIを構造で理解することが大事。

また、ゴールに対して影響度合いの高い指標が重要KPIとなり、KPIの優先順位をつけることが大事です。その上で、KPIはコントロール可能な指標にします。

●KPIとして定性的なことを言われた
定性的なものをKPIとして求められた場合は、限りなく定量化できるようにします。
例:ブランディングなら認知度、ブランド想起、顧客視点なら顧客満足度、NPSなど。
定量数値化することで相手と衝突せず、KPIを策定し、理解いただくことができます。

●KPIは達成しているけど売上未達なので釈然としない。
適切なKPIを設計できていないため、KPIを達成しても売上が上がらないことはあり得ます。
業種、業態、商材、そもそもそのサイトの目的によって、同じ指標でもKPIにするべき指標、さらに優先度が高い指標なのかは全く異なってきます。
※周辺情報に左右されずに自社の特性としっかり向き合って、目標設定、KPI設定するべし。

●LTVは何年ベースで見たらよいでしょうか。
LTVの定義は、顧客になってから離脱するまでの間に支払った累積金額で、顧客、顧客企業の価値、企業収益などがわかり、算出期間を決めることが多いです。
目的によって異なりますが、平均継続期間、平均注文回数を用いることが多く、「契約期間」という概念のある定期会員、サブスクなどはLTV算出は容易です。

第二部:ストーリー仕立ての演習を通して、KPIを自分のものに

第二部は村上氏の用意したストーリーで出題される演習です。
参加者がストーリーに沿って考えながら設問に取り組んでいけるので、前向きな気持ちで参加できます。

4つのストーリーが紹介されましたが、メディアサイトのマーケティング担当だった場合のストーリーでは次のように語られました。
メディアサイトのマーケティング担当の場合に、非常に重要な変数指標はセッション数=その元となるクリック数やCTRです。
クリック=関心の表れ
どれだけお客様の心をつかんだかわかる大事な指標です。軽んじられているように思いますが、ものすごく重要な指標で、CTRの高いバナーは超優秀な営業マンです。

演習のあと、KPIを自分のものにするということはPDCAを常に回すことと村上氏はまとめました。

  • 仮説を持って施策を実施(P)
  • 実行(D)
  • 検証(C,KPIとの差分)
  • 改善、見直し、ブラッシュアップ(A)

PDCAを回すことが大事ですが、PDCAが回っていないという相談もあります。
PDまで行ってCに行かない場合は、ちゃんとKPIが設定されていないから検証(C)まで行かないのではないか。KPIを策定することで、CにおいてKPIとの差分を見ることができます。差分が上回っていれば、このまま継続。下回っていれば改善、見直し、ブラッシュアップをかけていきます。
これがデータドリブンなマーケティングを行っており、PDCAが回っている状態です。

以上をもって第二部を終わり、質疑応答に移ります。

Q1. LTVがCACの3倍が目安という話はよく聞きますが、その根拠を調べても明確なものがありませんでした。統計的なものなのか経験的なものなのか、3倍という数値の根拠を教えていただけないでしょうか?

A1. 自分自身で計算したわけではないが、ユニットエコノミクスを見ると3倍以上で健全な利益率をキープできているので、経験値として、3倍以上だと経営の健全性を担保できていると思っている。
とはいえ、上記は一般的に言われていることなので、今日のセミナー参加にあたって調べて参考になりそうな記事を見つけました。
よろしければ御覧ください。 
 ▼SaaSの公式「LTV/CAC > 3x」ってなんでなの?分解して考えてみた。

Q2. CPAはKPIというよりKGIという説明がありましたが、これはCPAに売上が入っているからでしょうか?

A2. どちらかと言えばという意味で表現した。部門によってCPAをKPIにすることもあります。CPAは施策をした結果としてみている。また、起こった結果を表現しているだけなので、KPIにならないともいえる。コントロールする方はCPAの元になる広告費。売上そのものは結果なので、売上を単純に分解しただけ。

【村上氏より後日補足がありました】
CPAはKPIというよりKGI、については言葉が足りなかったようです。

元々、KGI、KPIは立場や組織がレイヤーとして上位になると、同じ指標でもKPIがKGIになることがあると申し上げたので、まさしくその背景があってこの表現となりました。
ちょうど自身が今みているCPAはKGI(目標)としてみており、そのことにフォーカスした言い方でこのことを今あらためて補足したいと思います。

日々動向を見ながら消化広告予算を調整する場合などは、まさしくCPAをKPIとして使っている顕著な例と捉えます。

Q3. KPIツリーを作れるようになるコツは?
A3. コツというより、楽しむこと。
数字を分解していくと、見えてくるものがある。それが面白い。どの指標が一番KGIに影響があるのかを特定できると、すごく楽しめる。

Q4. EC運営でKPIを見ていて困る事は景気の影響に関してです。景気がデータになっておらず、何か景気が要因であることを根拠として説明する時のよい説明の仕方があれば教えてください。

A4. 景気動向は全体の動きとしてはGDPが参考になる。
また、人材業界などは先行指標として求人倍率や失業率を見ている。
Google トレンドやTwitterトレンドとかも参考になるかもしれない。

など、一つ一つの質問に対して丁寧に回答して、セミナーが終了しました。

出演講師

村上 佳代

カズ・アンド・カンパニー合同会社
代表社員

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