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活動報告
開催日時 | 2020/09/10(木) |
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会場 | オンラインセミナー |
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2020年9月10日にオンラインセミナーオンラインセミナー「Amazonを活用したマーケティングの基本と実践」を開催いたしました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
レポート執筆
株式会社菊原web解析事務所
寳 洋平氏(アユダンテ株式会社)
寶氏からのセミナーは以下2つのテーマでお話いただきました。
①なぜ今Amazonか?鍵は「検索」にあり
②商品や見せ方の改善に活用できる「データ」
①なぜ今Amazonか?鍵は「検索」にあり
まず寳氏は2020年2月にSan Joseで開催されたカンファレンス、SMX West 2020で見たスライドを示し、AmazonとGoogleのショッピングバッグが並んでいる事が印象的だったと語ります。Amazonの成長を象徴するスライドです。
さらに2020年デジタル広告売上シェア予測の資料(eMarketer)では、デジタルコマースの世界でAmazonのシェアは拡大しており、USのデジタル広告はAmazonはGoogleやFacebookを凌ぐ成長率です。また、ユーザ視点で見ると「新しい商品をどこで探しはじめますか?」という問い(USの調査)に対し、66%がAmazonで商品を探し始めると回答しています。
また、GoogleとAmazonでの検索の違いに触れます。Amazonはすべてのキーワードにおいて「買いたい」という意図が含まれており、より購買意欲の高いユーザがAmazonを利用しています。
その後Amazonの検索ランキングの仕組みについて説明がありました。
「表示順は、商品情報にあるテキストの一致率、価格、在庫状況、品揃え、販売履歴などの要素によって決まる」というAmazon公式サイトに載っている説明を引用し、その中で「販売履歴(実績)」は注目すべき点だと強調します。
ここから、Amazonでは商品を売るサイクルとして「検索で有利になる」「人が集まる」「商品を売る」の3つを循環させることが重要で、そのサイクルを加速するのがAmazon広告の役割という考えを共有します。
②商品や見せ方の改善に活用できる「データ」
Amazonに取り組む上で得られるデータは大きく3点です。
a.Amazon広告
b.ストアインサイト
c.販売分析(ARA)、ブランド分析(ABA)
a.Amazon広告
Amazon広告ではASIN(Amazonが商品を識別する10桁の番号)を使って商品単位でターゲティングすることが可能です。
このASINをターゲティングした広告のデータを利用することで「競合からのブランドスイッチ」を数値化することが可能です。また、ASINをグループ化することもでき、商品を束ねてブランドとしてグルーピングも可能で、より柔軟に分析が出来る点が特徴的でした。
b.ストアインサイト
ストアインサイトでは、ストアページにおいて参照元やページ別のアクセス状況、購買情報の可視化が可能です。ストアページを持つことで外部媒体の評価も行う事が可能と語ります。
正しく参照元の情報を取得するには、参照元タグに独自のパラメータを仕込む必要があります。正しく設計を行う事でAmazonストアをマーケティング活動の中心にすることが可能です。
c.販売分析(ARA)、ブランド分析(ABA)
販売分析(ARA)
販売分析レポートでは、リアルタイム売上が注目で、曜日時間帯ごとの「Amazonでの」ピークがわかることや、Amazonセール時の変化を捉えられ、マーケティング活動に活用できるデータです。
ブランド分析(ABA)
いわゆるバスケット分析です。
併売や比較された商品、代りに購入された商品データを得られるため、商品開発や改良のヒントになります。これは自社のECサイトでは得られないAmazon広告ならではの取得可能なデータです。
まとめ
Amazonは今後も成長が続く媒体と考えられるため攻略はとても重要です。検索上位を狙うための1つの手段としてAmazon広告があります。
さらに膨大な商品データ、購買データをAmazonは保持しており、ASINを活用した競合からのブランドスイッチや競合分析が可能となっており商品を売るだけでなく、開発や改良のヒントとなるマーケティングデータを得られることが出来ると寳氏はまとめました。
また、適切な分析を行うためにはパラメータなどの設計・設定も重要なため、ノウハウのあるコンサルティング会社に相談することも1つの手段だと感じました。
樽谷 啓吾氏(株式会社5)
樽谷氏からのセミナーは以下4つのテーマでお話しいただきました。
①Amazonで業績を拡大するキー
②フルファネル視点の重要性
③宣伝の目的と評価手法
④ブランドの業績はDPVRに左右される
①Amazonで業績を拡大するキー
ECモールの利用者数1位のAmazon攻略が売り上げアップに重要です。※2020年4月ニールセンデジタル調べ
また、商品購入の前は検索エンジンよりもAmazonを利用するというアンケート結果があります。
Amazonで検索するユーザは7割のユーザがカテゴリキーワードで検索後購入するため、この7割のユーザに向けて自社ブランドをアピール=searchランク上位化・維持が業績拡大のキーです。
②フルファネル視点の重要性
Amazonには2つの運用型広告、AmazonDSPとスポンサー広告があります。
ROASが良く顕在層にリーチできるスポンサー広告のみでなく、Amazon外にいるユーザにもリーチが可能なAmazonDSPも利用しフルファネルでの展開を樽谷氏は推奨します。
スポンサー広告だけの場合、一定までは売れるが、継続した業績の成長は難しいと語り、DSPも併せて展開することでオーガニック売上を底上げし業績最大化に成功した事例を取り上げました。
また、DSPの精度においても膨大な購買データを保持しているAmazonならではの精度の高さも特徴の一つと感じました。
③宣伝の目的と評価手法
宣伝の最大の目的である見込み客最大化のためにさまざまな施策を実施しますが、宣伝施策のKPIが統一されていないことがボトルネックになり、見込み客創造につながる最適な投資ができていない可能性があります。
樽谷氏の提唱するKPIはDPV(商品ページ誘導数)・DPVR(商品ページ誘導率)です。複数の事例からDPV・DPVRと売上に相関関係があると説明されました。
④ブランドの業績はDPVRに左右される
DPVRはブランド力と同じ定義です。
それを証明する事例として、女性向けの化粧水商材で有名化粧品と無名化粧品だと、有名化粧品のDPVRが高い傾向にありました。ですので、DPVRが低い状態で販促投資を強化すると、費用対効果が非常に悪くなり、ブランドの存続が難しくなります。
またユーザ属性が分かるセグメントレポート、サイトレポートを活用することで、見込み度の高いユーザが判明し、他チャネルでのターゲティングに利用でき、予算の最適化も可能です。
まとめ
購買意欲の高いユーザが最も集まるAmazonを攻略するキーは、ブランド力向上です。ブランド力を向上させるためにはサーチランクの上位化が重要であり、そのためにはAmazon広告をフルファネルで利用すること、特にAmazonDSPは重要な手段と捉えられます。
そして見込み客を増加させるKPIをDPVRとし運用を行うべきです。
DPVRの高いユーザ属性やプレースメントデータはAmazon広告以外のチャネルで施策を打つ際のターゲティングとしても利用でき、Amazon広告のデータは有益なもの、と樽谷氏は述べ、セミナーを終えました。
最後に質疑応答の時間では、多くの質問をいただきセミナーの幕を閉じました。
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