活動報告

開催日時 2019/12/04(水)
会場 東京 御茶ノ水

2019年12月4日にセミナー「Google検索の変遷と事業主&外部パートナーから見たSEOの過去・現在・未来@ワイム貸会議室(御茶ノ水)」を開催いたしました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

レポート執筆
二村 勇輔

第一部:検索結果から見るGoogle検索の変遷と今後のSEO

篠原 誠 氏(株式会社Bake)

第一部は、検索結果から見るGoogle検索の変遷と今後のSEOをテーマに、篠原 誠 氏(株式会社Bake)の講演です。

本セミナーは、過去のセミナーとは少し変わった雰囲気で終始進みました。
篠原氏が冒頭でTwitterハッシュタグを紹介し、#a2iseminarのツイートが活発になったり、sli.doを活用した質問では、今までにないとてもフランクな質問も出ました。

そんな中、篠原氏の講演は以下の3つの要点で展開されます。

  • 検索結果の変遷
  • 今どんなことができるのか?
  • この先、検索はどうなるのか?

検索結果の変遷から話が始まります。
この数年の検索結果は、とてもリッチになったと一言で表現し、2016〜2018年の検索結果と2019年の検索結果の比較へと移ります。主にGoogleで完結する例の紹介です。PHEVの航続距離や観光地などがありましたが、特殊な例として、企業の時価総額がサジェスト内で完結する例も紹介されます。また、アメリカの検索結果を参考として提示し、日本に未導入のものなどの比較を紹介します。
Yahoo!の検索結果については、独自枠で表示される例として、格安航空券、ホテル名、漫画などがあると言います。

次に、今どんなことができるのか?へとテーマが移ります。
結論として、できることとできないことを分け、できることをやる、と述べます。
できないことの具体例は、Google独自データやYahoo!独自枠のコントロールやGoogleの進化を止めること。反対に、できることの具体例は検索結果の見せ方の工夫で、構造化、AMP Stories、動画・画像などがあります。篠原氏の実例も交えて、すぐにできることをすぐ試し、戦い方を増やすことが大事だと話します。それらを踏まえて、施策を行ったことについて第三者に知ってもらうことが大切と説きます。これは意外と重要で、自分から施策内容を発信することで他の人が取り組んでくれる可能性があります。

この流れを踏まえて、この先、検索はどうなるのか?について話が進みます。
この先はどうなるかわからないが、今以上に精度が高くなるのは間違いない。その中で、自社サイトがユーザーにとって必要な情報となれるかどうかを考えることが大事です。しかし、Googleで完結する例でも紹介したように、検索以外の集客手段を常に意識する必要があると篠原氏は語ります。

最後に、検索に関わる人の重要なこととして、自分で検索して自分の目で見ることと検索者の視点に立つことを挙げ、講演は終わります。

篠原氏の講演は検索結果のキャプチャ画像を中心に展開されましたが、参加者はスライドを見ていれば講演を理解できるようになっているため非常に理解がしやすく、無理なく講演についていくことができました。

第二部:検索者に価値を提供するためにウェブマスターがやるべきこと

伊藤 亜津佐 氏(iSchool合同会社)

第二部は「検索者に価値を提供するためにウェブマスターがやるべきこと」をテーマに、伊藤 亜津佐 氏(iSchool合同会社)に講演いただきました。

伊藤氏のお話は以下の3つについてです。

  • 今起きていること
  • 検索結果が変わればユーザー行動が変わる
  • ユーザーが行動する場所に情報を届ける

今起きていることに対して、検索者・検索エンジン・ウェブマスターの3視点を紹介した後に、Search Consoleの実例を用いてアルゴリズムのアップデート後の推移を紹介します。
その上で、Googleがアルゴリズムのアップデートに対してアクセルを踏むことができる理由として、検索者のニーズに一致する検索結果を作ることができるようになっており、それにはテクノロジー(機械学習など)の進化とGoogleが取り扱うデータ量が増加したことを挙げます。また、Googleが取り扱うデータ量に関しては、モバイルシフトが進んだことも要因です。
例えば、ロケーション履歴はユーザー行動を分析する際に使っていると思われるため、自社サービスを利用するユーザーデータから行動を分析し、自社のサービス改善に利用するPDCAを回す。このPDCAが一番うまく行っている企業がGoogleだと、伊藤氏は考えています。

次に、検索結果が変わればユーザー行動が変わることについて、検索意図の種類をベースに話が展開されます。
篠原氏の講演と同様に、ここ1〜2年の検索結果画面が大きく変わり、それに伴いユーザー行動も大きく変わったと述べた後、クエリごとの紹介をします。
Knowクエリ・Doクエリについて、Googleはクエリをよく見定めているため、ユーザーが購入しそうだと判断すると広告が表示されるようになります。Buyクエリも検索画面のキャプチャを用いて説明がありましたが、Buyクエリにおけるショッピング広告の価格表示は、事業者・ユーザー・ウェブマスターの3者にとって目が離せない変化ではないでしょうか。最後にGoクエリについて、Google マイビジネスの登場により、以前はアプローチしにくかったユーザー(ホテル、飲食店、美容室等を探すユーザー)が検索するようになってきたと言います。
まとめに、事業者は集客経路を見直していくことが大事だと語ります。

最終章は、ユーザーが行動する場所に情報を届けることについてです。
こちらも検索意図の種類をベースに、以下のようにまとめます。
Knowクエリ:検索者にどうやったら価値を提供できるか。
Doクエリ:手順・やり方は誰が見てもわかりやすいように。動画・画像・ショッピング広告が有効。冗長な言い回しに注意。
Buyクエリ:検索者が購入しやすい場所に商品を並べる。ECサイトの場合は、安全で簡単に商品購入できる仕組みを提供。
Goクエリ:お店の良い評判を作る。「レビューください」ではなく、お店やサービスの感想を書いてもらう。

これらを踏まえた上で、あなたのサイトでしか得られない体験を提供することが重要だと強調します。検索の目的達成、知りたい情報、新しい発見など、なくなると困るサイト作りを心がけてください。と伊藤氏の講演を結びます。

難しそうな内容でも丁寧に説明があったため、非常に理解度の高い講演となりました。

第三部:理想のインハウス SEO 担当を目指すことで描ける未来

高野 翔二郎 氏(株式会社アムタス)

第三部は理想のインハウス SEO 担当を目指すことで描ける未来について、高野 翔二郎 氏(株式会社アムタス)に講演いただきました。

高野氏の講演は前後半に分かれます。
前半:インハウスSEO担当の悲劇
後半:インハウスSEO担当の希望

前半の要点として、インハウスSEO担当としての苦労が語られます。
高野氏の今までの失敗経験などが紹介され、事業主やコンサルタントなどの立場が違う参加者も、インハウスSEO担当としての苦労を知るきっかけになったのではないでしょうか。
その中でも、インハウスSEO担当のつらさとして、以下を挙げます。

  • サイト内外で、見なければいけない範囲が広い
  • 必要になるスキルや知識も幅広い
  • 会社への成果は売上に換算しないといけない

特に、対応範囲の広さやスキルや知識の幅広さに関連し、高野氏はフロントエンドもバックエンドも、サイト全部に関わり改善していく必要があると言います。
また、SEO担当の成果は売上換算で評価されるが、実際には新規顧客だけではなく既存顧客の影響も強いので、既存顧客の売上や指名検索も考えていくことが重要です。

後半はインハウスSEO担当が活躍できる未来について、話が移ります。インハウスSEO担当は、前半で語られた苦労をクリアすることで以下のような楽しい未来があるかもしれないと高野氏は言います。

  • 幅広い業務の中で行った情報収集の成果を社内に持ち帰れる
  • その過程で交流した社内メンバーと良い関係構築ができる
  • 幅広い業務範囲で得たスキルを横展開できる
  • 気付いたら SEO を超えて事業に貢献できている

情報収集については、Twitterが高野氏のおすすめです。一次情報が大事な業界であり、良質な情報をツイート・リツイートすることでフォロー・フォロワーの輪が広がるためだと言います。これらの事前交流があると、対面した際に名刺交換しやすかったり、その後のTwitterでの交流が加速したりと、とてもメリットがあると主張します。

講演のまとめとして、高野氏が考える理想のインハウスSEOを語ります。

  • SEO や周辺領域の知識で事業に貢献できる
  • ユーザー目線でサイト改善ができる
  • 部署をまたいで円滑に協力ができる

など、「企業にとって、ありがたい人」を目指しています。そのうえで、技術(エンジニア含む)と仲良くしたり、事業に対してインパクトを出す領域に食い込むようにすると言います。

高野氏のスライドは100枚を超えるボリュームでしたが、ユーモアセンスがある進行により、ボリュームを感じさせない講演で幕を閉じました。

第四部:登壇者3名による質疑応答

第四部:登壇者3名による質疑応答

講師のお三方を囲んで質問時間が設けられました。
参加者がsli.doに投稿したものから抜粋し、篠原氏・伊藤氏・高野氏が回答します。普段のセミナーとは一味違った個性的な質問もあり、笑いに包まれて進行しました。
以下に質疑応答の一部を抜粋します。

Q.サーチコンソールのデータのうち、これだけは定期的にチェックする指標はどれでしょうか?
A.
篠原氏:検索アナリティクスは健康診断的な意味合いで毎日閲覧します。それに合わせてエラーも見ています。検索アナリティクスを見ておけばよいのでは?
伊藤氏:検索アナリティクスとカバレッジ。手動対策が来ているかも確認します。
高野氏:検索アナリティクス以外ですと、データポータルに接続して、季節要因の分類などを見ます。サイトマップレポートも確認します。

Q.SEO人材を採用したいのですが、どのような視点で採用するとよいでしょうか?
A.
篠原氏:面接していた当時は、SEOについて詳しい人が来なかったため、興味がありそうな人を育てた方が良いと考えています。
伊藤氏:検索が好きな人です。検索遷移が好きな人なら合っていると思います。
高野氏:SEOが分かる人はそうそういないため、技術に強い人であればSEOを覚えるのが早いと思います。

Q.SEOの担当者やコンサルタントが同時に身につけておくべきスキルは何でしょうか?
A.
篠原氏:検索を楽しむことです。反対に、検索を見て何も感じなかったらだめです。楽しめる要素を持っておくことが重要です。
伊藤氏:小さく試すことです。ちょっとした改善を行って、反映させることです。
高野氏:数字をしっかり見れるスキルです。また、人を説得をすることが多いはずなので、笑顔が大事です。

Q.SEOによってモチベーションが左右されますか?モチベーションがだだ下がりした場合、どのように普段の生活を過ごされますか?
A.
篠原氏:動物園に行きます。帰ってからお酒飲みます。
伊藤氏:ジムに行くことと、江ノ島に行くことです。
高野氏:Twitterが大きいです。それ以外だと、漫画読みます。

その他にもご紹介しきれないほどの多数の質問があり、熱気溢れるセミナーとなりました。

出演講師

篠原 誠

株式会社Bake
代表取締役

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