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活動報告
開催日時 | 2024/09/25(水) |
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会場 | オンラインセミナー |
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2024年9月25日、Microsoft Clarityを活用したウェブサイト改善をテーマとしたオンラインセミナー「Microsoft Clarityで深めるユーザー理解」(企画:アユダンテ株式会社 寳 洋平氏)が開催されました。第一部はカエルコムニス株式会社の小杉 清香氏による初心者向けの活用法、第二部は株式会社JADEの村山 佑介氏による定性分析の深掘りという二部構成で実施されました。
セミナーの冒頭、小杉氏から印象的な問いかけがありました。 「あなたのウェブサイトは誰のためのものですか?」
この一見シンプルな問いは、実はClarityというツールの本質を突いています。定量分析だけでは見えてこない、「特定の価値を求めるカスタマー」の行動や意図を理解することこそが、このツールの真価だというメッセージでした。
小杉氏はClarityの基本機能を丁寧に解説しながら、ツールの本質的な価値について語りました。ヒートマップやレコーディング機能といった機能面の説明にとどまらず、実装時に必須となる3つの設定―IPブロック、マスク範囲設定、ファネル機能の設定―について、具体的な手順とともに詳しく説明されました。印象的だったのは、Clarityの導入に際してのリスク管理の重要性です。個人情報保護の観点から、実装時の細やかな配慮の必要性が繰り返し強調されました。
セミナー後半の村山氏のセッションでは、より踏み込んだ分析アプローチが提示されました。特に注目すべきは、定量分析(GA4など)と定性分析(Clarity)の組み合わせ方です。「仮説の精度を高める」という視点から、定量データで見つけたパターンをClarityで深掘りする手法が、実例を交えて解説されました。
具体的な分析手順として、カスタムタグを活用したセグメント分析や、レコーディングデータの効率的な見方も紹介されました。村山氏は「時間が溶けていく」という表現で、やみくもなデータ分析の危険性を指摘。効率的な分析のためには、明確な目的と適切なセグメンテーションが不可欠だと強調しました。
本セミナーを通じて印象的だったのは、両講演者が共通して強調していた「目的志向」の分析姿勢です。ツールの使い方以上に、なぜそのデータを見るのか、どのようなアクションにつなげるのかという視点を常に意識することの重要性が繰り返し語られました。
Clarityという無料ツールの可能性と限界を正確に理解し、他のツールと組み合わせながら効果的に活用していく―そんな実践的なアプローチが示された充実したセミナーでした。
レポート執筆:渋谷 泰一郎(a2iセミナー編成委員、株式会社ナンバー)
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