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活動報告
開催日時 | 2024/02/21(水) |
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会場 | オンラインセミナー |
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2024年2月21日にセミナー「生成AI時代到来 今後のSEOのポイントを考える」を開催いたしました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
レポート執筆
二村 勇輔
第1部ではGoogleにおける生成AIの影響、第2部ではアナリティクス担当者に向けた最新のGoogle検索トピックを扱いました。
テーマと講師は以下の通りです。
第一部:検索プラットフォームと人工知能
長山 一石 氏(株式会社JADE)
第二部:【2024最新】アナリティクスに関係あるGoogle検索トピック
伊東 周晃 氏(株式会社JADE)
長山 一石 氏(株式会社JADE)
篠原 誠 氏(株式会社JADE)
Google vs AI、検索エンジン vs 生成AI、Bing(AIを積極的に活用)が席巻、 など、対立軸で捉える話が、最近多く聞かれます。実際はどうなっているのでしょうか。
2023年を通してStatCounterをみても、Bingのマーケットシェアの伸び方は現在の圧倒的なGoogleとのシェアの差を一気に逆転するようなものではなく、単純に検索エンジンがChatGPTなどの生成系AIのツールに一気に置き換わるわけでもない、と長山氏は見ています。
SGE(Search Generative Experience)について
似たような仕組みにBingが先に取り組んでいて、Googleがあとから追いかける立場です。しかしGoogleも研究レベルでは進んでいて、Google vs AI という構図ではありません。
Gemini、SGEはUIとして新しくて目につきやすいですが、Google×AIとなったときの真価は、既存の検索エンジンの検索パイプラインの中でどのようにAIが導入されているかだと考えています。
ここで、Googleが公開している検索パイプラインのスライドが提示されます。URLをクロールするかしないか、indexをするかしないかなどのすべての判断にAIを導入して、パイプライン自体を新しくしています。ここ数年でURLがindexされづらくなったなどの悩みは、人間がシステムを作っていた時代よりも、機械学習モデルになりより攻めた判断ができるようになったからでしょう。
アメリカ政府がGoogleを独禁法で訴えた裁判で、今までGoogleがコンフィデンシャルとして扱ってきた情報(検索のランキングなど)が明らかになる内部文書がアメリカ政府によって公開されました。
そのドキュメントの中で長い間Googleの検索チーム(ランキング)のリーダーを担ってきたPandu Nayak氏の証言がありました。Googleがどのようにランキングを決定しているかが証言されていますが、あらゆる箇所にAIがかかわっています。
講演の冒頭で述べたように、検索エンジンとAIは対立軸ではなく、GoogleはいかにしてAIを利用して良い検索エンジンを作るかを考えて、非常に多くのリソースを割いているように思います。
ここで長山氏は個人的な観点と断ったうえで、「現在のLLM(大規模言語モデル)に世界理解はない」と語ります。現時点では、確率論的にありえそうな言語と文章を繋いでいるだけの、例えるなら「左脳なき右脳」です。現在の検索エンジンでは、いかにしてこの左脳と右脳を接続するかを研究しているように感じます。
様々な情報を取得してからそれに基づいてAIに文章を生成させる技術がこれからのキーとなり、実際クエリ意図とドキュメントのマッチ度理解が洗礼されてきたと思います(この具体例は第2部で紹介されます)。
すでにAIで大量にコンテンツを生成してURLをindexさせるスパマーが出てきて、一部成功しているのも事実です。それに対して、AIで生成されたコンテンツをどのようにしてAIで見抜くかなども活発に研究されているため、24年にどこかでAI検出器のローンチがあるのではないかと思います。
現在、AIを使うだけではスパムと判断されず、AIを使って低品質なコンテンツを大量に生成するのがスパムという流れになっています。しかし、今のクオリティにおいても、現在の生成AIのみによって作られたコンテンツは、E-E-A-Tの実現が難しいため、基本的にはスパム扱いになるのではないでしょうか。AIにはE-E-A-Tのどれも存在しないため、AIによってのみ書かれた(人の手が入っていない)コンテンツはどうしても低品質コンテンツに近づくと思います。
では、マーケター側はどうやってAIを活用していくのか。
AI活用で特に有効なタスクとして以下の3つを紹介します。
JADEでは、ブレインストーミングで活用しています。Google Chatの中にChatGPTと話せる部屋を設けており、広告文作成の依頼など、様々な人が様々なことを聞いています。実例も紹介されましたが、すべてのことをAIにやってもらうのではなく、あくまで人間の随伴者として活用することが、非常に重要です。
Q. indexされるかどうかはAIが判断してるという話がありましたが、Search Consoleでリクエストしてもindexされないことがあります。実際のところ、サイトマップをリクエストをしても意図的に見ないということは起こっているのでしょうか?
A. サイトマップはひとつの参考情報にしかすぎません。サイトオーナーがサイトマップを出してきても、Googleが実際の検索ユーザーにとって役に立つのか判断しようとした時、役に立たないと判断されたらindexしない。また、クロールする価値もないかもしれないから、index・クロールしないというのはありえる話です。
Q. 生成AIのユーザー利用が普及した場合、世の中の情報を要約してもらうことが増えてくると思いますが、全体的にユーザーの検索は減っていくのでしょうか?
A. 生成AIの利用が増えれば検索エンジンの利用が減るかというと、必ずしもそうではないと思います。生成AIに聞くだけでは満足せずに検索エンジンを利用することは実際にあるでしょうし、SGEのように生成AIと検索エンジンが統合されていく未来はあります。
Q. 動画のindexはどうなるのでしょうか?
A. すべての動画を詳細に理解するのはGoogleからしたらかなり難しい課題だと思います。YouTubeに上がっている動画はYouTube側が中身を理解しようと頑張っていますが、それ以外のプラットフォームについてはまだまだ難しいと思います。index側でインターネット上に存在する画像をすべてスキャンしてAIに中身を判断するのはCPU・GPUパワーが必要になるためかなり難しいです。画像SEOや動画SEOについては、altテキストなどをちゃんと付けるのが良いです。
左より 篠原 誠氏、伊東 周晃氏、長山 一石氏
第二部は、伊東氏、長山氏、篠原氏の3名にお話しいただきます。
Googleから公式に発表があったアップデート(コアアルゴリズムアップデート、ヘルプフルコンテンツアップデートなど)、公式発表がなかったが検索結果が動いているものを紹介していきます。
アップデートの時期が被ったことに対して、実際にはストーリーはなかったのではないかと思います。コアアップデートと呼ばれるものは基本的には別のチームがやっているもので、アップデートとして出せる時に出すという感じではないでしょうか。そのため、大きなバックストーリーを考えなくてもよく、Google全体としてのランキングのストーリーがないという前提です。
2023年2月から一つのサイトが平均どれくらい動いたのかを1週間おきにグラフにした資料をベースに解説がありました。1年の中で一番変動が大きかったのは、公式でアナウンスされていない7月のアップデートだったというオチでした。
各アップデートの中から、このレポートでは7月・11月を紹介します。
7月の動きについて
起きた変化としては「エリア×料理名」「学校名」「楽曲・アーティスト名」など、クエリの種類に対して上がったサイトと下がったサイトが極端に分かれていたのが特徴的でした。例えば「エリア×料理名」の場合、グルメまとめ記事が上昇し、求人検索サイトが下がりました。このようなクエリが例に複数挙がり、実際の動きが解説されました。
E-E-A-T的な観点では、Needs Met(検索エンジンがユーザーの求める情報をどれだけ満たしているかの指標)が厳しく見られるようになっています。クエリだけではどういう検索結果を求められているか明らかではないクエリに関して、AIを持ち込んだ結果、検索意図を判断された検索結果が表示されています。
7月の変化は象徴的ではありますが、第一部のセッションと紐づけて考えるとユーザーの検索意図の捉え方に関しての変化が現れていると言えます。
2023年11月 動画枠におけるYouTubeの伸び
検索結果に表示される動画に関して変化がありました。11月末くらいにオーガニックに表示されるYouTubeの検索結果が跳ね上がっています。
他のSNSに比べても増えていますが、これはYouTubeだから優遇したいというより、YouTube側のデータが使えることで情報がより多くあり、結果的にたくさん表示されてしまうのではないでしょうか。
次に、動画タブの話に移ります。これはあまり話題にならなかったようです。
11月30日に、動画タブでは動画がメインコンテンツであるページのみが表示されるようになりました。検索結果にWebページが表示されにくくなったため、動画タブからの集客があったサイトにはかなりインパクトが大きかったのではないでしょうか。
Search Consoleで、Webの検索動向で「動画」を確認すると12月頭くらいから崖のように下落しているサイトも出ています。Search Console上でWebの動向だけしか見ていない場合、動画枠からの流入が下がっている可能性があるので確認すると良いです。
しかし、以前の仕様ではWebページのデザイン上で数秒だけ動く部分を動画として表示されるケースもあったので、今回のアップデートは、Google検索としてはあるべき姿かもしれません。
お話の中で具体的に説明があったため、検索、アナリティクス、マーケティングなどを担当されている方には非常に心強い情報だったのではないでしょうか。
下記の4点を紹介します。
コアアップデートと生成AIなど、まさに今回の講演で触れられてきたことが2024年に大事になってくる可能性があります。
また、JADEは自社でAmethystというツールを開発して、匿名化されている検索クエリを閲覧できたり、SEOのための分析・モニタリングができるツールを展開していることにも触れ、第二部を終えました。
Q.GA4の分析にもAIは活用できますか?
A. マーケティング側でも活用できる可能性がすごくあります。GA4もSearch ConsoleもBigQueryへのエクスポートができ、BigQueryの中でBigQueryMLを利用し、LLMにプロンプトを投げることが可能になるので、BigQueryの中でRetrieval Augmented Generationみたいなものがすでに可能です。これらを利用して、AI活用というのはあると思います。
Q. 検索プラットフォーム上のSGEによる、オーガニック流入の減少を脅威と感じてるのですが、影響はやはり大きい(これから大きくなる)と捉えておくべきでしょうか。
A. SGEというより、経年で見た場合、以前から検索結果上でアンサーは出ていたことから、SGEを起点に考えるのはちょっと違うと思います。SGE以前からゼロクリック検索は増えているので、SGEが出たからオーガニック流入が減るというよりもすでに減っているはずです。
そのうえでゼロクリック検索が増えたことに対して、どのように対処するべきかをちゃんと考えていくべきです。だからこそ、自社サイトへの流入ポートフォリオを多様化するためのチャネルの組み合わせはすごく大切になります。
▼有料個人会員、有料法人会員は、このアーカイブ動画を視聴できます。(2025年2月25日まで)
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