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活動報告
開催日時 | 2019/10/17(木) |
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会場 | 東京 秋葉原 |
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2019年10月17日に特別セミナー「Google アナリティクス アドバンス 2019 “変わるGA Apps + Web、ITP対応、Tableau分析、GCPと機械学習“」が開催されました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
レポート執筆
二村 勇輔:第1部、第3部
株式会社菊原web解析事務所:第2部
大内 範行 氏(アナリティクス アソシエーション)
ただし、現在はまだベータバージョンで、2割程度の出来だと評価しています。工夫をすれば、ウェブサイト計測だけの利用もできますが、BigQuery エクスポートでのデータ利用をしない限りは、まだ使い始めなくても問題ありません。
また、この Apps + Web プロパティは、従来の Google アナリティクスの置き換えではなく、従来のものと、新しいものが当分の間は両方利用できます。その点でも、今急いで利用し始める必要はありません。
2020年後半に向けてその改良を見守りながら、機能が十分に整ってきたら活用を始めるのが良いと思います。
原田 憲悟 氏(エクスチュア株式会社)
原田氏のお話は、以下の4つについてです。
まずAdobe AnalyticsのITP対応についてから始まります。
ITPの根源的な意図は、トラッキングを阻止することです。Adobe Analyticsはデフォルトだとサードパーティークッキーですが、対応方法はあります。また、Adobe Analyticsの場合は実装方法によって影響を受けないケースもあります。ファーストパーティークッキーであれば影響を受けないので、CNAME実装の対応をすれば良く、エクスチュアでは、サーバー側に仕込むモジュールを作成しています。
具体的な対応についてスライドで説明がありました。
続いて、Adobe AnalyticsとGoogle アナリティクスの違いについて話が移ります。比較表をスライドに映しながら説明があったため、ひと目で違いがわかります。
Adobe Analyticsのほうが評価は高いが、Adobe Analyticsを導入しなければいけないわけではありません。AdobeがAdobe Analyticsを提供しているビジネス的な理由を考えると、クリエイティブを作った時に正確な価値を測って成果まで追っていくことが背景にあります。Google アナリティクスについては、広告の効果改善が背景にあります。セグメントを広告に共有できたり、アトリビューション分析を早く取り入れた理由もここにあります。
Google アナリティクスの親しみやすいUIによる習得のしやすさ、データポータルとの連携、GTMの価値なども補足されます。両者の管理画面の違いをスライドで提示し、普段一方しか利用していない人でも話についていけるように講演が進みます。
その他のAdobe AnalyticsとGoogle アナリティクスの違いについては、ヒットセグメントの有無・サンプリングの有無・分析画面の柔軟性などに触れました。
知っておいてほしいのは、Google アナリティクスよりAdobe Analyticsの価格が高いとは一概には言えず、価格改定によりAdobe Analyticsの方が安いケースもあるため、コスト面でGoogle アナリティクスを選ぶのはちょっと違うということです。
講演は中盤に入り、Adobe AnalyticsからGoogle アナリティクスへの移行について話題が移ります。全体を通して、Adobe AnalyticsからGoogle アナリティクスへの移行が一筋縄ではいかないことを原田氏は強調しました。
Adobe Analyticsをどの程度使用しているのかにもよりますが、移行するコストは相当大きいです。Adobe AnalyticsのProp・eVarで取得している内容をカスタムディメンションに入れてGoogle アナリティクスでも確認できると思ってしまいますが、それでは済まないし、実装自体が移植不可能になるケースもあります。運用面でもPVなどの数値が一致しないのは当たり前で、セッションカウントなどの細かな計測の違いがあります。プラグインの移植、権限設定、定期レポート、Googleアカウントの作成など、壁は多数あります。これらの想定されることを考えずに進んだ時の期待値をしっかりと設定しておくことが大切です。だからこそ、現実的な移管を進めていくことをおすすめします。
原田氏は、Adobe AnalyticsからGoogle アナリティクスへ乗り換える相談があった際、どの程度Adobe Analyticsを利用しているかを確認するそうです。初回のチェック時にあまり利用されていないのであれば、新たに設計し直すことも提案します。また、Adobe Analyticsの分析をフル活用して日々の改善をしている場合は、Google アナリティクスへ移行しないほうが良い時もあると言います。
Webの行動履歴データの今後については、1年以内に次のフェーズへ行くと結論を述べ、次のように補足します。
解析を単体で行うものはなくなっていきますが、基礎データは重要です。行動履歴として他のデータと組み合わせて活用することで、成果に繋げていきます。BigQuery・BIツール・MAなどと一緒に活用していくことが大切です。
最後に講演をまとめます。
Adobe AnalyticsとGoogle アナリティクスはどちらの利用でもOKで、クラウドに入れて加工することが大切です。何よりも、データをその後どう活用するかがキーになります。ツール利用に関しては、コンサル会社は両方利用できるようになってください。事業会社は自社の活用度とトータルコストで決定をすること。Adobe AnalyticsからGoogle アナリティクスへの移行は簡単ではないことを覚えておいてください。それ以上に、解析の先のフェーズへ行きましょう。
原田氏のユーモアあふれるお人柄が伝わる貴重なお時間でした。
山本 氏(株式会社ルネサンス)
サイト改善に際し以下4点が課題となっていました。
課題を「ふわっ」としか把握出来ておらずデータに基づいた改善を出来ていなかったため、プリンシプル社へコンサルティングを依頼しました。
村松 沙和子 氏(株式会社プリンシプル)
改善までに以下5つを実施しました。
定量分析と定性調査を両方実施することが重要です。
GAでのゴールデンルート分析(定量分析)でユーザーの全体像をつかみ、ユーザーテスト分析(定性調査)でより顧客理解をすることでボトルネックの糸口をつかむことが可能となります。
ユーザー分析の声をヒントに、GAのデータをBIツールのtableauへ取り込み、深掘り分析を行います。そして、改善案に重要度をつけリストアップし改善後にどのくらい効果改善が出来るかシミュレーションを作成します。
また、社内説明用の一枚絵の作成を行い、社内に伝わりやすいようにアウトプットを工夫していくことが非常に重要と村松氏は語ります。
再びルネサンス山本氏より、プリンシプル社の分析結果をもとに行った、社内調整の取り組みについて説明があります。
今回サイト内改善に関してはUI改修とスピード改善を、サイトへの集客として広告費の増額を実施しました。社内理解に有効だったのが社内説明用の一枚絵で、シミュレーションをわかりやすく砕いて経営層へ提出することでコスト調達に繋がりました。また広告費の調達についても、広告代理店に予算を増額した場合のシミュレーションを作成してもらいました。
わかったこととして「シミュレーションが無いと会社は未来に投資をしない」と痛感しました。社内の経営層には「定量」ありきの定性評価に基づいて説得していくべきです。
最後に、コンサルティング会社は「示唆」は与えてくれるが、自社の事業にどう生かしていくのかという施策のアウトプットの部分は依頼主側がしっかり持っていなければならず、コンサルティング会社へお願いしたから解決するわけではなく二人三脚の姿勢が大事と締めくくりました。
【まとめ】
堅実な分析だけにとどまらず、定性調査を用いて具体的なアクションプランを提示する事と、事業会社内で経営層からコスト調達をしやすくする為の工夫を行った事が成功要因と感じました。
そして、最終的な責任を持ち自社サイト改修の意思決定を行うのは事業会社であるため、事業会社担当者のウェブマーケティングの能力及び社内での突破力(調整能力・パッション)が最も重要と感じるセミナーでした。
講演後には「sli.do」を通して多くの質問にお答えいただき、第二部の幕を閉じました。
葛木 美紀 氏(グーグル・クラウド・ジャパン合同会社)
第三部の講演は、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社の葛木 美紀 氏による「Google Cloud Platform、ML のマーケティングへの活用」です。
葛木氏のお話は、データを外に出して活用していく時代にあるというオープニングの大内氏の話を踏まえて進んでいきます。「複雑なコードを書かなくても高度な分析ができることを皆様に実感してほしい」と述べ、以下の3つについて講演を進めます。
Google というと検索や Gmail といったコンシューマー向けサービスを連想される方も多いかと思います。Google Cloud は、そのようなコンシューマー向けサービスの高品質なインフラストラクチャをどなたでもご利用頂けるクラウドサービスです。
次に BigQuery の簡単な紹介とメリットです。
高額なサーバーを利用しなくてもペタバイト規模のデータを扱えるため、想像以上にコストを抑えることができます。Google アナリティクス 360 をご利用の方は、GA のサンプリングされていないレポートを BigQuery に抽出でき、ユーザーのヒットレベル (pageview, event) のデータを統計的分析に活用可能です。
その上で、本題のマーケティングに活用できる機械学習機能に入ります。
BigQuery ML について、BigQuery からデータを移動せずにSQLを利用して機械学習モデルを作成することができると葛木氏は述べ、実際に BigQuery ML をどのように利用するのか、小売業のマーケターを想定したデモを交えて説明がありました。わずか数行のSQLを書くだけで機械学習モデルが作成できる様子は、とても魅力的です。
BigQuery ML はデータドリブン・セグメンテーション分析や商品リコメンデーションにも利用できます。機械学習モデル作成に必要な様々な前処理やパラメータチューニングを省略でき、数行のSQLを書くだけで機械学習モデルを作成できます。BigQuery ML で作成したモデルの指標はデータ ポータルで確認ができ、CVにはどのパラメータが貢献しているのかといった分析結果を可視化することも可能です。
次に、SQLを含め何らかのコードを書くことに抵抗がある場合、 Cloud AutoML がおすすめです。
従来の Cloud AutoML は画像・ビデオ・自然言語にご利用頂けましたが、今年からは構造化データにも対応しました。GAやCRMの会員情報などのファイルをアップロードし、いくつかのオプションを設定、選択するだけで、機械学習モデルが作成できるため、好評をいただいています。
また、BigQuery ML との比較をした時に、
などのメリットがあります。
葛木氏の説明は比較内容がわかりやすいため、実務での導入時に正しい選択ができます。
実際のお客様事例として、NLP API によるセンチメント分析や TensorFlow による時系列分析の具体例の紹介があり、「従来データ分析に必要だった前処理やチューニングといった難しい作業が簡略化され、以前よりも分析や機械学習モデル作成が身近になった。BigQuery を含め Google Cloud 製品には無料枠もあるので、まずは気負わずにトライしてほしい」と、葛木氏はまとめました。
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