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活動報告
開催日時 | 2019/03/06(水) |
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会場 | 東京 市ヶ谷 |
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2019年3月6日に「記事量産やめませんか? 戦略的コンテンツマーケとGoogle アナリティクス解析」が開催されました。
レポート執筆
二村 勇輔
三友 直樹 氏(株式会社日本SPセンター)
二部に渡るコンテンツマーケティングのお話について、一部は三友氏より1時間ほど講演がありました。
今回はコンテンツマーケティングを行う上でのプランに焦点を当て、失敗しないコンテンツマーケティングを深掘りしていただきました。三友氏は冒頭で、コンテンツマーケティングに取り組んだものの、散々作った後に失敗するとダメージが大きいと話します。
講演は前後半に分かれます。
前半は「結局、コンテンツマーケティングとは?」に対する答えを「コンテンツマーケティングの定義」を用いて話が進み、後半は「2つの4象限」を使い、オーディエンスを集めつながり続けるフレームワークの紹介がありました。
コンテンツマーケティングとは戦略的なマーケティング施策であり、目的は信頼獲得。価値・関連性・一貫性のあるコンテンツ発信が大事。中長期的なキャンペーンでジャーニーが長いからこそ一貫性が重要、と三友氏は述べます。その上で、消費者・自社を明確に定義する必要があると語ります。明確に定義するとはどういうことか? について、前半で重要な2つのキーワードである「ストーリーの3要素」と「Why」の2つを用いて説明します。
人間がストーリーを感じるための「ストーリーの3要素」が大事です。「ストーリーの3要素」とは、登場人物・ゴール・乗り越えるべき障壁の3つであり、これはアリストテレスも言っていると偉人を例に出します。
ここで明確になった語り相手に対して、「Why」のツボをついたコンテンツを作ることが重要。「Why」は適切なインサイトの項目を掘り下げ、出てきたインサイトとプロフィールを組み合わせることでペルソナを表現できる、と一旦まとめます。
話は後半へ進みます。
オーディエンスとつながり続ける状態・重要性・注意点について説明し、コンテンツマーケティングの向き不向きについても前置きをします。これらを理解した上で「顧客・見込客を知る」「適切なコンテンツ発信を決める」の2つの4象限について話します。
顧客・見込客を知るためには、消費者属性ではなく消費行動で区切るべき。例えばワインの購入をするとしても、大切な人へのプレゼントなのか家族のお使いなのかなどシーンによって4象限の位置が変わるので、時間をかけるorかけない・金額が高いor安いなどを把握する。ここで大事なのは、顧客の4象限によって施策が大きく異なるためいきなり集客をしないことです。
顧客の4象限を分類した後に「適切なコンテンツ発信」の4象限に顧客をプロットしますが、情報閲覧頻度の高低・商品関連性の強弱を軸にとります。ここで2つの4象限について、購買行動によって分けることと自社商品の関連性などを検討してどのポジションに入るかを知ることが大事と話します。
以上の内容をまとめた上で、三友氏の考え方のベースになっている書籍の紹介があったため、後から学べるのも嬉しいポイントです。
最後に三友氏がよく聞かれる質問の紹介や参加者からの質問が絶えず、大変盛り上がった前半でした。
中田 吉彦 氏(and,a株式会社)
続いて第二部では、中田氏よりGoogle アナリティクスを使ったユーザー行動パターンの解析について1時間の講演がありました。
中田氏の講演も同じく前後半に分かれます。
過去の失敗をベースに架空の案件を用いて、「ペルソナ」「カスタマージャーニーマップ」「コンテンツマップ」「CTA」「KPI」の5つの分野について前半の話が進みます。
特に、ペルソナとカスタマージャーニーマップの項目の学びが深かったため、ポイントを箇条書すると…
など、その他にも現場で活きるノウハウが詰まっています。
また、実務では大変な作業ですが、中田氏のユニークなプレゼンによる笑いが起きるため前向きな気持ちで聞けることも嬉しいです。
重要なのは「なぜこのKPIを設定したのか」を関係者全員で共有すること。しかし、カスタマージャーニーマップを5つに設定した場合、関係者から5つでよいのかという質問が出る可能性があるので、それを確かめるためにもユーザー行動を確認する、と中田氏は述べ、話は後半へ移ります。
後半はGoogle アナリティクスのユーザーエクスプローラの活用から始まります。
初めにユーザーエクスプローラの使い方について丁寧な解説があります。重要なのが「動線」「導線」の2つの言葉の定義。
動線:ユーザーがどう動いたかの記録
導線:ユーザーにこう動いてほしいという意図で設置したURL間遷移のためのルート
これらの前提条件を踏まえて、早くアウトプットを出すためのコツは2点です。
1.サイトコンテンツのグループ化
2.解析対象を初回CVまでとする
次はユーザー行動のパターン化へと話が変わります。
50人分のユーザーエクスプローラを人力で整理し、パターンを作成。CV手前で発生しやすい幹パターンを抽出し、幹に絡む枝パターンを明らかにします。
このパターン化の具体例が中田氏の過去の経験をもとに説明されます。具体例を抽象化して自社に落とし込むことができるため、非常に有益な情報です。参加者が現場で一歩踏み出しやすいポイントです。
ここまで完了した後に施策実行の優先度を決めます。
事例で用いた行動パターンのユーザー数を確認するカスタムセグメントの紹介があります。ポイントは、行動パターンタイプ別に分けた際に割合だけを把握するのではなく「全体に占める割合は低いがLTVが高いお客様を大事にする導線作り」を考慮することと話し、講演をまとめます。
講演後に参加者からの多くのQ&Aに納得のできる答えをいただいて、中田氏の講演は終わりました。
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