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活動報告
開催日時 | 2019/01/23(水) |
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会場 | 東京 市ヶ谷 |
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2019年1月23日に「はじめてのGoogle データポータル(旧Google データスタジオ) 〜基礎から応用、Tipsまで〜」が開催されました。
レポート執筆
二村 勇輔
小川 卓 氏(株式会社HAPPY ANALYTICS)
まず初めに「Google データポータルの役割と機能紹介」について、小川氏から50分講演がありました。主にデータポータルの活用方法に焦点をあてて話が進んでいきます。初めてデータポータルに触れる方でもついていけるように、一つ一つを丁寧に解説していただきました。
小川氏の話は、データポータルが解決できる悩み事から始まりました。
面倒なレポート作成・権限を渡せないが数値は見てほしい・Google Analyticsの操作がわからない人向けの簡単なデータ提出など、現場の悩みを解消でき、無料で利用できることを伝えます。
「データポータルを利用すると上記のような課題に時間を取られないため、気付き・改善を考える時間に投資できる。レポート作成が目的ではなく、レポートから発見できるインサイトを共有することが大切」だと話します。
次に、データポータルのアカウントを作成する時の流れへと話が移ります。
スライド上で一通りの初期設定を話し、Google Analyticsに焦点をあてた活用を紹介します。途中で『データスタジオ』⇒『データポータル』への命名変更時にあった小話なども入り、参加者は和んだ雰囲気で講演を聞きます。要所要所で、レポート名称やデータソースの取り込み時に初心者がミスをしやすいポイントなど、嬉しい解説が入ります。
その後、今回の目玉でもあるリアルタイムでのレポート作成を行います。
機能の説明を丁寧に行い、先程同様、初心者が陥りやすそうなミスについて言及します。
「レポート作成は無理に1枚にまとめるより、最適な使用枚数を検討すべき」と小川氏は語ります。
また、データポータルと関連性の高いGoogle Analyticsのディメンション・指標についても解説があります。「××を、○○ごとに見たい」(×:指標,○:ディメンション)という非常にシンプルに理解できる説明です。Google Analyticsのレポートに関して、ページとコンバージョンをつなげたものが一番やってはいけないレポートだと注意を促します。
上記を踏まえた上で、再度データポータル画面へと戻ります。
グラフ・表の作成について話をした後、編集ポイントを伝えます。ディメンション名・指標名は自由に変更ができるため、各々がどの見せ方が一番良いか探っていくことが大事だと言います。
ここで小川氏がよく使うテクニックを紹介します。
「特にテキストボックスとレポート共有機能は使ってほしい。先程話した、レポートから発見できるインサイトを共有するためには文章を書くことが重要」と小川氏は強く言います。実際に小川氏が作成したレポートを参加者がダウンロードできるよう共有していただきました。
最後にデータポータルのメリットと無視されてしまうレポートについて話があります。
「メリットは、ブラウザ上で完結するため大容量ファイルのやり取りが必要ない。レポート作成だけでなく、レポート作成周辺にある業務も楽になる。だからこそ、インサイトを共有するための時間に使うことができる。また、表やグラフは人によって解釈が違うため、文章で伝えることが大切。無視されてしまうレポートは、比較する前回と数字が変わっていない場合。施策に取り組んだのに数字が変わっていないことが重要なので、変化がないことを文章で伝えるべき」と話をまとめます。
以上の話が終わった後に、質疑応答へと移ります。
など多数の質問が飛び交い、10分間の回答時間では収まらないほど盛り上がりました。
村山 佑介 氏 (アユダンテ株式会社)
村山氏からは「データポータルの守破離」というテーマで50分講演がありました。
講演内容はボリュームが非常に多く、スライド数約300枚を50分でまとめたため、小一時間の内容とは思えないほどの濃い内容でした。しかし、これだけのボリュームの話にもかからわず参加者が最後まで聴き入ることができるのは、村山氏の語り口調が柔らかく、ご自身の経験や偉人の名言を引用することで笑いが起きる場面が多いためでした。
本題の「守破離」に入る前に、なぜデータビジュアライゼーションが話題になっているのかについて言及します。
「事業会社・代理店/経営層・現場層などの仕事現場には、視点と言葉の定義がズレている事によりたびたび溝が発生し、溝の解決策には橋が必要になる。その架け橋となるものがBIであり、データポータルである」と話します。
これらを踏まえた上で、守→破→離の流れで各小見出しを6つに分けて話が進みます。
小見出しの一工夫により、膨大なスライド数についていけます。
「守」について以下のように話が進みます。
①データ可視化の心得と作法
心得 : ダッシュボードはアクションに繋げることが必須
作法 : 7つの作法があり、これらを守ると大きくハズレたレポートにはならない
紹介された概念・テクニックはすぐにでも取り入れたい学びです。
②グラフへの向き合い方
10のグラフを提示し、各グラフの特徴から応用編まで紹介
実際に村山氏が使うグラフについて触れるため、実務で活きる話です。
次に「破」へと移ります。
破の内容をまとめると以下になります。
③QCDを忘れない
品質・金額・期日
「ダッシュボードは現場でのアクションに繋がって初めて活きるもの。アクションに繋げるのはダッシュボード利用者になるので、利用者からどのようなデータがあるとアクションできるか事前にヒアリングする。そうすることで、無駄な作業を減らし好循環を作ることができる」と村山氏は語ります。また、小さくスタートすることが大事とも付け加えます。
④自分の型を得るために(応用編)
エクスプローラーの使い分け・計算フィールドの活用・データ統合について
全体的に難易度が高い内容ですので、後日見返すことができるようにデータポータルヘルプページや村山氏が記載しているデータポータルブログへの紹介も交えています。特にGoogle AnalyticsとSearch Consoleのデータ統合は、すぐに活用できる企業が多いのではないでしょうか。
最後に「離」について語ります。
⑤弘法、筆を択ばず
「様々なデータとコネクトできるので、レポート作成時に先入観を無くして可能性を模索すること。常に最適な形を想像し続けることで道が開けてくる」と話します。ここで、村山氏が閲覧した秀逸なレポート例を紹介します。レポートは、PCではなくスマホで見やすいように作られており、Webサイトにも埋め込まれています。「アクションに繋げるダッシュボード」が実践された例です。
⑥改善の道
重要なのは2点です。
1.ゴールではなくスタートを意識する
2.データポータルに限らず、色々なダッシュボードを見る
「ダッシュボードの制作完了はスタートであり、成功と改善のサイクルが大事。自分のダッシュボードにとらわれず、様々な知見を取り入れることで改善ができる」と語ります。
最後に、以上の講演内容の要点をまとめて、村山氏の講演は終わります。
渋谷 泰一郎 氏 (株式会社ナンバー)
渋谷氏から「データポータル作成時のデザインTips集」について30分の講演がありました。渋谷氏が非デザイナーだからこそ身をもって感じたデザインの大切さが語られました。
「データポータルはツールであるから、目的がある。目的に対してきちんと機能するためには、適切なデザインが必要である。適切なデザインは一度できっちり決まることは少ないので改善を繰り返してより良くしていく」と話します。
また、「データポータルはセルフBIツール」とも定義します。「デザインの重要性について話をするのは、データポータルのカスタマイズ性が高く、個人・チームで自由に作り込めるからこそ、きちんと設計して作るべき」だと言います。
渋谷氏の実体験で「デザイナーが作成するダッシュボードはこんなにもきれいで使いやすいのか!」と驚嘆したそうです。
「例えば、ロゴの配置。従来の自作レポートの場合、左上にロゴを配置し、左下にフィルタを配置していたものを、デザイナーは配置を逆にした。【ロゴ=左上】という固定概念にとらわれることなく【フィルタプルダウンの使いやすさ】を考慮すると配置が逆になった」とも付け加えます。
その後、たくさんのスライドを用い、初心者が陥りやすそうなミスに触れながら、色・レイアウト・画像の使用について話が移ります。会場には渋谷氏のレポートが提示されているため、参加者が納得のできるレポートをもとに講演が進みます。スライドの作り込みが丁寧なため、とても理解しやすいのも嬉しいです。
総括として、小川氏・村山氏と同様に「データポータルはコミュニケーションを起こすことが重要。意思決定やアクションへと移せないと意味がない」とまとめます。
デザインの観点からアクションにつなげるというお話が珍しいため、非常に刺激的な講演内容でした。
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