活動報告

2012年5月24日、3月に開催された「eMetrics: Marketing Optimization Summit San Fransisco」に参加した清水誠氏によるレポートセミナーが開催されました。
eMetricsの内容を、清水さんが実際に生活の中で体験して感じたこと・考えたこととあわせてご紹介いただき、最後のまとめでは自らを振り返りながら熱いメッセージをいただきました。

サンフランシスコ報告会 サンフランシスコ報告会 サンフランシスコ報告会 サンフランシスコ報告会

◆タッチポイントが増えたので、そこからどうやって読み取るのか?が課題

◇店舗に仕掛けたセンサーでユニークビジターを特定
・棚に接した回数・時間を分析
・カメラで顔や表情を読みとって、リアルのヒートマップ、属性の推測、性別・スタッフorビジターなど
・どれくらいスタッフに接触してCVしたのか

◇大学の研究結果を応用したものがビジネスとして立ち上がっている

◆領域がwebだけでなく、オンライン・マーケティング・ビジネスアナリティクスに広がっている

◇位置付けが広がってきた
・「WAA」(2004年スタート)が「DAA」に名前を変えるという発表があった
→ベンダーだけでなく、エンドユーザーも積極関与している

◇TARGET(全米第2位のスーパー)の事例
・課題:日用品は決まったところで買い、その行動はなかなか変わらない
→過去何十年の消費者行動データを活用
→専門家を雇って、どうやってこのタイミングを予測できるのかを研究
「ライフタイムイベント(出産・結婚など)では行動は変わる」
子供が生まれる前を予測して、いち早くターゲティング
例:石鹸を無香料のものに変えたら子供が生まれるだろう、など

◇Out in
・透明化して伝える
・カスタマーを理解してコントロールしてもらう
・上手にやろう
→セグメントごとにDMを送って、さりげなくアピール

◆プライバシー問題

◇ICOの事例
初回訪問時にCookieオプトインを表示
→10分の1以下のアクセスに・・

◇慎重な企業は・・・
初回訪問時にCookie説明→オプトアウト

◇EUにおけるプライバシー問題について
・規制内容が曖昧・不十分
・強制力が足りない
・27国それぞれの法律に準拠する必要がある
→EUのプライバシー対策は、進みすぎてカオス状態(あまりお手本ではない・・)

◇USにおけるプライバシー問題について
・背景として「Do not Call Registry」(罰金を伴うため強制力あり)がある
・清水さんもこれに登録して3週間くらいで電話がピタっと止まった。これのオンライン版が「Do not track」となる。
・ブラウザがオプトアウトフラグを送信(解釈・対応はサービス側次第)
→現実路線で「Do not Track」を推進

★ポイント
・目的と収集内容をわかりやすく伝える
・ユーザーに選択肢を
・上手にやろう
→上手にやると、カスタマーが増えてロイヤリティが上がる

◇ターゲティングを上手にやるとどうなるのか

清水さん「ターゲティングはありがたい」
・USでは他の州の情報はノイズ
・ローカルという概念が発達している
・もともとクーポンや口コミが広がりやすい
・レビューが機能している
評価の評価で浄化される→質の良いレビューが残っていく→より詳しい自分の情報を入れていくようになる(消費行動が変わってくる)

例:「モールがクローズします。でもこっちではやっているからこっちで買ってね。20%割引のクーポンも付けておきます。」というDM
→誘い合わせてショッピング

例:ガレージセールDM
→近所のみんなで参加

◇ロケーション系は「Shopkick」
・自分のいる場所の近くの参加ショップ(存在を伝えるだけ、クーポンを提供など)が表示
・来店ポイント、特定の商品を探してカメラで撮って正しければポイントがもらえる(恥ずかしいのでさりげなくやっていたりする)など、提供されているオファー一覧が表示される

◇郵便局はこんな状態
・ドライブスルーでポストに投函 → オンラインで準備が全部できてしまう
・クレジットカードが使える
・web割引
・経過時間によってポップアップでライブチャット
など

◇(生活に密着した)アプリ
・美容院:マップ上で待ち時間が表示?チェックイン
・不動産:写真も充実

★前述の「上手にやろう」 → オプトアプトできるようにしよう

◆過去から未来へ

◇事例課題「2年後の購入まで顧客の興味関心を維持する必要がある」
・”維持”をエンゲージメントして中間ゴールに設定
・クリックなどのアクションをそれぞれ重み付け?エンゲージメントをスコアリングで定量化
→スコア別に顧客をセグメントし、セグメントを切ることによって予測ができて、それが予想通りになった
→オプトアウトしないように興味関心を維持する

◇解析の目的は過去の効果測定ではなく、次のアクションを可能にすること
→マーケティング施策やコンテンツの改善、アクションの精度と数を増やす

★予測するためにはどういうデータが必要なのか

◆システムの連携

◇役割分担が進行中
→データ収集、分析、コミュニケーションの3種類に分かれているよう

◇unilytics、ijentoなどダッシュボードソリューションの紹介

★データをどう料理していくのかが変わっていく
★いかに意味を読み取って、わかりやすく伝えるのか

◆視覚化の技術

◇今のほとんどのダッシュボードは失敗作
→原則を理解して正しく伝えよう

◇ゲシュタルト心理学が参考になる
→人はどのようにして理解するのか

◇ダッシュボードの改善デモ紹介
→何が最適なのかを考えてグラフを作りましょう

◇そもそもダッシュボードとは何なのか?
→ぱっとみて全体が把握ができるもの

◇ダッシュボードのよくあるミス
・1画面に収まっていない(タブやスクロールなど)
・グラフの種類が不適切
・余計なコンテキスト

◆UXとAnalytics

◇サイト内検索は宝の山
→キーワードとコンテンツを照合して改善

◇ニーズに合わせて検索結果を改善
→コンテキストに合わせて結果を表示

◇どのページで何のキーワードを検索したのか?
→そのページで何が足りなかったのかがわかる

◇検索の品質を定量評価
→UXを上げる

★統合で付加価値を出そう

◆思ったこと

・体験して感じよう
・真似ではなく、参考に → 本質を理解して、事情に合わせて参考にする
・もっとエラくなろ → WAA設立時のメンバーは、事業会社の中であれば担当副社長クラスなどに偉くなっている。我々は先駆者なので、彼らと同じように自分たちが偉くなって世の中で影響力を持たないといけない、後に続く人たちのためにその義務があるというのを意識しましょう。
・掛け算で価値を出そう → UXとアナリティクス、サイト内検索とSEO、技術部門やマーケ部門など、お互いの価値を高める
・会社や国に囚われない

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