活動報告

2012年2月15日、特別セミナー「WebマーケティングとKPIを経営戦略に組み込む」が行われました。カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の村上佳代氏、株式会社クリエイティブホープの大前創希氏を迎え、経営層の理解を得ながらのWebマーケティングとマネージメントのあるべき姿について、語っていただきました。

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第1部:Webマーケティングと経営戦略 “経営層、上位層”とのコミュニケーションを考える

村上氏からは、ハーバード大学ポーター教授の論文「戦略とインターネット(Strategy and the Internet)」を軸に、企業の戦略とインターネットの関係を解説、Webマーケティングの本来のあり方をお話しいただきました。

本来、企業の戦略の本質は変わらないはずであるのに対し、経営層や上位層が捉える経営戦略とインターネット戦略はバラバラとなっている現状が多く散見されます。ポーター教授の2001年の論文の主旨を確認し、インターネットは現在でも戦略あってこそのツールであり、その活用でいかに戦略の優位性を高めるか実現するかという点を再認識しなければならない、とします。

村上氏がこれまで対企業、そして企業の内側から見てきたWebマーケティングの現状や取り組みで感じたところから、自社や自部署の事業について、また経営層や他部門や同僚に向けて、見るべき視点や取り組む内容などが提示されました。

・リアル企業はネットをいかに戦略に結びつけて活用し、強みを生かすことができるかどうかが重要
・ネット企業はブランディングや低障壁の競争環境への対応をすべく、経済価値を創造する真の戦略の立案が必要

インターネットは企業の競争優位性に取って代わるものなどではなく、あくまで強化するものであり、全体戦略の中にインターネットをどう統合するかが競争優位を強化する鍵になるとして、話を締めくくりました。

第2部:ビジョンから重要業績評価指標に落とし込む

大前氏からは、KPI設定は本来のどのような流れで組み立てられるべきなのか、そして具体的に自社のKPI設定はどう進めていけばよいのか、というお話をいただきました。

まず、KPI設定には「ビジョン」が不可欠と説きます。Web戦略は短・中期事業戦略に紐付き、その事業戦略はビジョンに紐付くからです。Webサイトが完成してからKPI設定というのは本来はWeb戦略のあり方を否定しており、ビジョンを具体化することがプロジェクト成功の鍵である、とします。そのために、「見えない階段の具体化」「ロードマップ」「目的や目標、KPIの定期的な見直し」の必要性を挙げます。

事例としていくつか具体的な取り組みを紹介し、目的やゴールやKPIの整理、課題の把握と分析、そして発見からのKPIの再定義、その後のPDCAサイクルの流れなど、参加者にとっても非常に参考になる内容だったのではないでしょうか。

後半では、ある企業の実際のビジョンからどのようにKPI設定へ組み立てていくのか、その流れや考え方が提示されました。事業の目的から事業拡大に貢献する要因へ、そして事業拡大に貢献できるWeb的要因へとブレイクダウンしていき、KPIに落とし込んでいく、そしてその数値チェックを軸としてPDCAを回していくという流れ。またその具体的な流れや方法も提示いただきました。

最後に、企業のWeb担当者のミッションは「業績とWebサイトの連動を社内にいかにわかりやすく提示できるかどうか」であるとし、第2部の話を締めました。

第3部:トークセッション

第3部では、20分ほどの短い時間でしたが、村上氏と大前氏によるトークセッションでした。社内環境の整備や理解浸透には時間がかかるものの、経営層と現場とのコミュニケーションのためにも、議論の土台として「KPIという共通言語は必要である」という共通した意見が交わされました。「わかりやすさへの試行錯誤」や「金額と関係しないKPIは経営層には伝えない」など、両氏のこれまでの経験からの知恵や方法もいただきました。両氏の本音も窺え、参加者にとっても自分に置き換えたときの取り組みが少しイメージできたのではないでしょうか。

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