【レポート】アクセス解析サミット2012(後編)

2012年5月17日、川崎市産業振興会館にてアクセス解析サミット2012が開催されました。8名の方々にご登壇いただき、「データをアクションに!」というテーマで、7時間半にわたってそれぞれの立場でのお話をいただきました。約300名の参加をいただき、ありがとうございました。

前編に引き続き、アクセス解析サミット2012の模様の後編です。

 

デジタルコミュニケーション最適化を加速させるデータデザイン

〜 Coremetricsの利用事例紹介とユーザー行動データのアクション化 〜

サイバー・コミュニケーションズの根本氏からは、これからアクセス解析が「個」の時代に向かうときに、データをどう収集分析し、アクションにつなげていくかというお話をいただきました。

分析の現場では、分析と実行が連携していないため、データをアクションにつなげることが難しくなっています。ECサイトを事例に挙げ、ECプラットフォームと一般的なアクセス解析ツールの利用では顧客がどのようなプロセスで購入や継続に至るのかが把握できず、LTV管理ができません。収集したデータを生かし切れず、また取るべきデータとして取得もできていないため、データとアクションが結びついていないと指摘します。LTVを最大化させるためには、ユーザーベースと時間軸でデータを紐づけて扱うべきであり、Coremetricsでそれを可能にすることができるとします。

ECでは、サイト訪問から初回購入、初回購入からリピート購入、単品購入から定期購入という3つの壁があるとし、それらは時間軸をたどって顧客をシナリオに沿ってセグメントし、分析していくことになります。根本氏は、それぞれの検証方法の概要を説明した上で、それらをシングルソースで扱える環境の構築の必要性を挙げました。部分の最適化ではなく、「個」で全体をとらえる重要性がテーマのセッションとなりました。

 

パナソニックの会員サイト CLUB Panasonic におけるウェブマーケティングについて

パナソニックの中村氏からは、パナソニックの会員サイトCLUB PanasonicでのWebマーケティングの取り組みと、いかにデータを活用してサイトの改善につなげたかというお話をいただきました。

冒頭で、CRM活動とそれに伴うロイヤル化した顧客層への増販を目的とするCLUB Panasonicの、サイトや会員属性の詳細、リアルとネットによる誘導マーケティング事例などを紹介、CRMの基盤としての活用ぶりが窺えました。

その後、いかにしてデータ活用からサイト改善につなげているか、SEOによる集客状況やキャンペーンの評価方法、コンテンツの評価からの改善など、具体的な内容に触れます。

SEOの側面において、コンテンツサイトではビッグキーワードでの継続的な上位表示による大きな流入とロングテールでの流入がバランスよく実現しており、レビューサイトでも会員かつ愛用者登録者による書き込みに人力でタグを付与する対応でロングテールを拾うなど、非常に効果的に集客できているとのこと。特に新規ユーザーの獲得に寄与しており、その価値は非常に大きいとしています。

キャンペーンの評価やコンテンツの評価に関しても、Googleアナリティクスのカスタム変数や$インデックスといった機能を用いて評価、かかるコストや会員獲得効果の判断に用いている例も紹介されました。

重要なのは、チームでデータとして客観的に共有することであるとし、すべての活動は検証できなければいけないこと、数値や金額で効果を判断すること、そしてデータを元にアクションにつなげなければならないとして、セッションを締めくくりました。

 

メーカーECにおけるビジネスバリューを生み出すウェブ解析の取り組み

ドクターシーラボの西井氏からは、ドクターシーラボでの長期的な目標設定から企画立案まで、ウェブ解析を使った包括的な取り組みをご紹介いただきました。

ドクターシーラボのECサイトは、立ち上げから約5年間で成長期から低迷期に移り、やるべきWebマーケティングはやっているものの売り上げが上がらない状況になっていました。そこから脱出のきっかけとなったのが、自社の強みとお客様の声をWebサイトに反映させることと、効果を可視化させることだったと言います。

当時の課題は、ツールが施策ごとに異なるため全体としての分析が困難であったこと、また担当者によってツールが異なるため共通した目標設定ができないという点がありました。それを解決するため、PCとモバイルを含めたサイト全体を包括するアクセス解析ツールを導入、流入から購入回数の把握に至るまで、トータルでの把握を実施。あわせて施策ごとのKPIを管理することで、成長曲線は再び大きく成長に向かったとのこと。各担当者の目標が数値化され、予算の最適化によりプロモーションも適切に行えるようになったことが要因と語ります。アクションにつなげる改善のサイクルがうまく回っていることが窺えます。

また、アクセス解析と顧客データを連携させることで、より効率の良いプロモーションが展開できるとします。より多様な軸で顧客をセグメントすることが可能になり、問題把握の幅が拡大、効率的な投資や施策の自動化につなげられます。まだテスト中ものもがあるとしながらも、実際に展開している施策の例も紹介されました。

課題として、新しい広告の仕組みやソーシャルメディア、動画などの施策の取り組みを進めることで、さらに新たなKPIの設定が必要になっているとし、Webマーケティングの新しい段階に向けて動き始めている様子を示唆しながら、話を締めくくりました。

 

「データ」?「心理」で成果創出!仮説実験型サイト運用方法論

株式会社ビービット 武井由紀子氏

ビービットの武井氏からは、「仮説実験型サイト運用方法論」と題して、ユーザニーズを捉えながら活用するデータを絞り、継続的に成果をあげる実践的な運用方法論をお話しいただきました。

ネットマーケティングではユーザー理解とデータ活用が不可欠な中、後付けのデータ分析で改善に至らないケースが見られます。仮説がないこととユーザーを見ていないことに起因しますが、エリック・アンダーソン氏が提唱する「Assumption & Experiments (A&E)」と呼ばれる考え方を用いることで、シンプルに施策結果だけを見て判断し、PDCAを回すことができる、とします。サントリーのウイスキーのウェブと連携した取り組み事例を紹介し、短期間にPDCAを回すことの重要性、インパクトの大きさを説きました。

その後は「A&E」の取り組みの詳細を紹介。「仮説」と「実験」に大きく分けられ、仮説におけるゴール定義とユーザー定義の重要性、施策を繰り返してすばやく検証、改善につなげる流れを説明されました。ゴール定義での「ビジネス貢献が曖昧な施策は許さない」、ユーザー定義での「ユーザーに実際に接触する機会を持つこと」など、サントリーの例を挙げながら、説得力のあるメッセージが投げられました。施策から検証の流れにおいても、仮説に基づく施策の頻度の高さ、そしてシンプルに結果だけを見るという検証の高速化も重要であると説き、施策結果だけをすばやく確認できるツールが効果的としました。

改めて、後付けの分析ではなく、ユーザー仮説の重要性、および高速な改善サイクルの重要性を再確認させられた内容となりました。

アクセス解析サミット2012(前編)はこちらから

 

  • 写真:八巻なつえ

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