コラムバックナンバー

最近IoT関連に触れる機会が多いため、今回はIoTを題材にしたいと思います。

IoTはInternet of Thingsの略で「モノのインターネット」を指すということは、今やご存知の方がほとんどでしょう。ガートナー社の発表によりますと、2017年は世界の総人口より約10億多い、約84億台のモノがインターネットと接続し、2020年までに204億台に達する見込みです。
Gartner Says 8.4 Billion Connected “Things” Will Be in Use in 2017, Up 31 Percent From 2016

企業におけるIoT活用例を挙げますと、製造業ではスマートファクトリーを実現する企業が徐々に増えています。一般消費者の身の回りでは、昨年冬に日本でも発売されたAmazon Dash Buttonの登場や、ファストファッションメーカーが商品のタグをIoT化させ、商品を入れたカゴを機械に通すだけで会計ができるシステムを搭載するなど、日常生活においてもIoTを実感できるシーンが増えています。

つい先日東京マラソンが開催されましたが、同大会はIoTやAIの宝庫と言っても過言ではないほど多くのIoTデータが取り扱われています。例えば一般ランナーと並走する「ランニングポリス」と呼ばれる警察官が装着したウェアラブルカメラからは、警視庁に映像伝送がリアルタイムに行なわれます。また、コース上の監視カメラの映像や一般観客のSNS投稿情報、来年以降は音声データなどコース上のあらゆるデータをインターネットで収集・蓄積し、AIが分析した結果を運営本部がコース沿いにいる警備員に伝えて危険を未然に防ぐなどといった活用がなされています。

このようにユーザ視点でもIoTと接する機会が増えておりますが、当社(ALBERT)へIoTに関するご相談をいただく機会も増えています。中には「IoT」という文字が部署名に含まれている部署の方からご相談をいただくことも増え、各企業によるIoTへの注目度が高まっていることを実感しております。

相談内容をおおまかに整理しますと以下にまとめられます。

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1.収集・蓄積
これからIoTデータ取得を考えている、もしくはIoTを利用した施策を考えていきたい。

2.活用
何らかの事由で蓄積データはあるものの、活用の仕方に悩んでいる。

3.分析
自社で蓄積データを分析したものの、課題解決できず困っている。
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分析関連でご相談をいただく場合は、IoTデータを活用して実現したい目的が明確であるケースが多いため、分析手法を見直すことで課題解決に結びつけやすくなります。

一方、収集・蓄積フェーズや活用フェーズで悩まれている場合は、IoTという技術を用いて何かを達成したいと技術先行で思考していたり、企業内で保持しているデータを活用できる術を探しているなど、目的の明確化や知識発見の実現が課題であることが多いです。IoTデータを用いてビジネスで何ができるか、何をしたいかが曖昧であることが多いため、分析実行フェーズの前段階であるビジネス課題や目的を抽出できるスキルを持っておくと、よりビジネスにおいて強い分析者になれるのではないかと、私もまだまだ勉強することが多い身ではありますが実感しています。

IoTデータの活用を考えていらっしゃる方、特に収集・蓄積フェーズで検討されている方は、目的志向でIoT周りを振り返ってみることを推奨いたします。IoTはあくまでデータを収集する手法のひとつです。目的や課題解決する際にはIoTデータに限らず、商品データや顧客データ、Webであれば閲覧データなど、IoT以外から収集したデータも掛け合わせて活用することがほとんどです。「IoT」という言葉をあまり意識せずに、企業に関連するデータの活用方法を考えていくといいでしょう。

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コラム担当スタッフ

浜田 和美

株式会社ALBERT
コンサルティング・アクティベーション推進部 コンサルタント

レコメンドエンジンや感性検索システムなど様々な新規サービスの企画・導入・運用に従事。
2012年、デジタル広告部門新設に伴い異動。実験計画法を用いたクリエイティブ最適化やダイナミックリターゲティングバナーの導入・運用、営業支援、メディアプランニングに携わる。
現在はコンサルタントとして旅行会社や食品メーカー等のクライアントを担当。プライベートDMPの導入・運用支援ならびに、広告部門時代の知見を活かしDMPを用いた広告施策のプランニングも実施。

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