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ある日、テレビの柔らかめの報道番組で「○○女子」という、ありがちな話題が取り上げられていました。男性のイメージが強い分野に、女性の参加が増えている、という内容でした。それを見ていた妻は、「なんでも女子って付ければいいと思って」と不満をあらわにしていました。

そんな妻には怒られそうですが、今回のコラムは、a2i のトピックスでも紹介した「データサイエンティスト女子部セミナー『わたしはこうしてデータサイエンティストになった』開催レポート」を取り上げたいと思います。記事は、女性のデータサイエンティスト3名が講演とパネルディスカッションをしたレポートです。
この記事を読んでいていくつか印象に残った言葉をピックアップしてみます。

「分析は手段。ビジネスに生かして成果を出すことが何より大切。そしてもう一つ、好きこそ物の上手なれということだ。自分が興味を持てる分野は理解が早い」
「必要なスキルは、”一般常識”つまりユーザーの気持ちになれること」
「”段取り力”も大事です。女性は家事などで鍛えられていますので”段取り力”があると言われたことがあります」
「難しい理論を無理に理解するのはあきらめてツールに頼るようにしました」
「各案件、可能な限り自分自身もエンドユーザとしての体験をするようにします」

セミナーのテーマは「女性でもデータサイエンティストが問題なくできるよ」とも読める内容ですが、あえて「女性」という枠を取って読んでも、響く言葉が多くありました。
男女関係なく、これからアナリティクスに取り組む新人に対するセミナーだとしても、十分通用する内容で、技術力や統計理解に自信がない方々にも勇気を与える内容ではないでしょうか?

男女という区分けと同じように、文系理系という分け方も時々話題になります。アナリティクスやデータサイエンス(データ科学ですから)には、まだまだ技術や数学など、理系のイメージが強いため「文系でも大丈夫」あるいは「文系なのにサイエンティスト」と語られがちです。

しかし、実際の仕事に必要なのは、「お客様との対話力」や「ユーザーの洞察力」「違う意見を伝える力」といったソフトスキルの方です。技術や統計の知識などハードスキルの方は、その仕事が面白いと思えば、ある程度克服可能だと感じています。
むしろ、理論と情緒、技術と人、経験と創造力など、相反する2つの面のバランスが重要なエリアだと言えるでしょう。

特に公表はしていませんが、アナリティクスアソシエーションでは、2013年からセミナーに参加している女性の人数を、受付で数えてもらっています。
設立当初の2009年は、参加者のほとんどが、男性という風景でした。
しかし、昨年今年と、a2iのセミナーの女性参加比率は、確実に上がってきています。コンスタントに3割後半になっています。

この数値をウォッチしてきた立場からすると、今後も女性比率は伸びていき、来年には半分を超えるのではないでしょうか? 女性や男性、文系や理系という文脈で語ることに意味がない、普通で自然な風景になっているのだと思います。

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